ナイーダ B に関するよくあるご質問
聴力レベル 61 dB 以上を高度~重度の難聴と定義しているのはなぜですか?
高度~重度の難聴は、世界保健機関(WHO)によって、良い方の耳の難聴レベルが 61 dB 以上の聞こえの平均閾値として定義されています。
なぜ 61 なのですか? 感音聴力では、蝸牛内の外有毛細胞の列への損傷によって生じる難聴は、最大で 60 dB 程度です(Moore 2016)。
感音聴力の閾値が 60 dB を超える難聴の場合、内有毛細胞も損失している可能性が高くなります。その結果として、静寂下と騒音下のでの語音認識能力は大きくばらつき、増幅によるメリットの可能性は良好から不良まで広範に及びます。
高度~重度の難聴の 3 つの特徴とは何ですか?
主な 3 つの特徴は以下の通りです:
- 聴覚分解能の劣化
- 高音域の難聴
- SN比の劣化
スローコンプレッションとは何ですか?
スローコンプレッションでは、アタックタイム・リリースタイムが遅くなり、特にリリースタイムが遅くなります。これは、利得がより長い間一定を保つことを意味し、結果としてシステムがより、リニアシステムのように動作します。スローコンプレッションでの一般的なアタックタイムとリリースタイムの長さは 5 秒～ 20 秒の間です (Moore、2015)。
スローコンプレッションのメリットは何ですか?
スローコンプレッションの主なメリットは、信号の時間包絡(エンベロープ)が保たれることです。つまり、増幅なしの信号に存在する、大きい音と小さい音の音圧のコントラストが保たれることを意味します。これは一部の聞き手の語音明瞭度に
重要です(Moore 2016、Madsen ら 2015)。
アダプティブフォナックデジタル コントラストとは何ですか?
アダプティブフォナックデジタル コントラスト(APD コントラスト)とは、フィッティング処方の 1 つであり、スローコンプレッションを提供します。アダプティブフォナックデジタルに、遅い時定数または遅いアタックタイムおよびリリースタイム、さらに周波数レスポンスカーブへの若干の変更を加えたようなものです。アダプティブフォナックデジタル コントラストは、Phonak Target 5.3 のフィッティング処方タブからアクセスできます。
どのような人が APD コントラストの使用を考慮するべきでしょうか?
圧縮との相性が良好でない顧客、または聴覚分解能の低下した顧客 (オージオグラム形状に対して、ことばの識別が期待より劣る顧客など)に対して、APD コントラストの使用を考慮する必要があります。
高度~重度の難聴を抱える顧客にサウンドリカバー 2 を提供するのはなぜですか?
サウンドリカバー 2 は、 重度の高音障害型感音性難聴を抱える人々に対する高音域の可聴性を大幅に改善させることが示されています。
ナイーダ V でのロジャーと指向性とナイーダ B でのロジャーと指向性には違いがありますか?
はい。ナイーダ B に含まれるロジャーと指向性の新しい設定では、指向性の補聴器設定がさらに低い雑音レベルで有効化されます。そのため、より多くの音環境でロジャーと指向性の利点を活用できます。
ロジャーと指向性のメリットは何ですか?
ロジャーと指向性は、近い距離の騒音下での語音明瞭度を向上させるだけでなく、遠距離でのことばの理解も向上させます。
(Latzel, M.、Wagener, K. C.、Vormann, M.、Mülder, H.E.(2017).Speech Intelligibility in Dual Task with hearing aids and adaptive digital wireless microphone technology (補聴器および適応型デジタル ワイヤレス マイクロホン技術を使用した二重課題時の語音明瞭度)。ISAAR proceedings(ISAAR 議事録))
ナイーダ B の顧客にはなぜロジャーが必要なのですか?
1.5 メートルを超える離れた距離では、非常に高度な補聴器でも、
ことばの理解の必要条件である SN比の大幅な改善には限界があります。そこで最先端のロジャー マイクロホンが、よりよい理解のための橋渡しに必要となります。ナイーダ B とロジャーを一緒に使用することで、高度~重度の難聴を抱える顧客は、近距離または離れた距離、静かな環境または騒音下の環境でのコミュニケーションの最適なソリューションが得られます。
ナイーダ B-R RIC には、どのロジャー ソリューションを使用できますか?
ナイーダ B-R RIC は、コムパイロット II にロジャー X 受信機を取り付け、任意のロジャー マイクロホンと組み合わせて使用できます。